今回は企画職について、仕事内容や向いている人、リモートワークでも可能なのかなどについて紹介します。
企画職とは?
企画職とは、ざっくりいうと、企業が事業を進める上で必要になる戦略や商品などの企画を行う仕事です。後述しますが企画職にも様々な種類があり、どこで、何を、何の目的を行うのかは様々です。
企画職と営業職の違い
企画職と一緒によく聴く職種として、営業職があると思います。
企画職も営業職も、”課題解決を行い事業成長を達成する”観点では同様です。ただ、そのアプローチ方法が異なります。
営業職の場合は、自社製品を通じて、顧客の課題解決を図ります。結果的に、自社製品の売り上げが上がり事業成長を達成していきます。
企画職は、自社製品の売上を伸ばすための課題を特定し解決を図ります。営業職と異なる点は”一顧客”視点ではなく、市場や競合を踏まえた俯瞰的な視点で考えることです。
まとめると、営業は一社一社の顧客に向き合い課題解決を図る仕事で、企画職は市場や競合他社を踏まえた上での自社製品やサービスの課題解決を行い事業成長を図ります。
企画職はリモートワークでもできる?
近年注目され、多くの企業が導入しているリモートワークですが、企画職も可能なのでしょうか。
結論から述べると、企画職はリモートワークに向いている職種と言えます。企画職の仕事は、市場や競合分析、企画や実行計画を練ることが中心のため、PCが使用できる環境があれば、場所はどこでも問題ないでしょう。
社内で打ち合わせが必要な機会は少なくないですが、オンラインMTGで可能でしょう。
ただし、会社や部署によってはリモートワーク自体の制度がない場合もあるため注意しましょう。
企画職の具体的な仕事内容
企業ごとによっても異なりますが、一般的には企画の仕事は主に下記に分かれていきます。
経営企画
企業の経営目標や経営戦略の立案を行います。
また立てた計画に沿って各部署の従業員が動けるように、具体的な行動計画も立てて、実行に移していきます。
社長や取締役などが兼任している場合もありますが、大きな企業の場合は、経営企画を専門に行う社員が配属されていて、経営陣と各事業部を繋いでいくような役割を果たします。
具体的には、計画が問題なく進行されて目標が達成されそうか、難しい場合、どこに課題があり、どのように解決できそうなのかを考えていきます。
事業企画
事業企画は、各事業部単位での戦略や実行計画を立てていく仕事です。
経営企画の場合は会社全体の視点でみていきますが、事業企画はひとつの事業部やサービスの目標を達成させて、より成長させていくには、どうすれば良いのかという視点で見ていきます。
事業企画の範囲は広く、売上の管理から、商品やサービスの企画や、営業活動を円滑に行うための各制度やツールの整備などを行います。
後述する「商品企画」や「営業企画」も事業企画の中に含まれている場合が多いです。
商品企画
事業部の商品、サービスの企画立案を行います。具体的には新商品の企画や、既存商品のリニューアルや細かい改善などを行っていきます。
営業からの要望や市場分析を踏まえて、より売れる商品に変えていくことが仕事です。
営業企画
事業部の営業人員が、より円滑に仕事を行うための制度やツールを整備していきます。
具体的にはインセンティブ制度を設けたり、営業パンフレットや動画の作成・改善などを行います。
教育・育成企画
事業部の営業や新人メンバーの育成計画を立てて実行していきます。
具体的には下記のような業務が挙げられます。
- 既存社員向けの営業レベル向上
- 新人社員向けのビジネスマナーや営業基礎力向上
- 企画職社員向けの課題解決力などの向上
事業部の現状の課題などを踏まえて、適宜必要な研修などを企画・実行してメンバーの能力を上げることを通じて、事業成長を図っていきます。
また、会社によっても異なりますが、事業部の全体で集まるミーティングなどの企画や実行を行う場合もあります。
その他
会社にもよりますが、広報やマーケティング部門も企画職に含まれることがあります。
「特定の目的達成のために、企画を行い実行する」という観点では、広報やマーケティングも同様で、また他にも様々な職種が含まれることでしょう。
企画職を志望する場合は、仕事内容を見て、「特定の目的達成のために、企画を行い実行する」かどうかを見ていくのが良いと思います。
企画職の将来性
あらゆる職業が今後AIに置き換わっていくと言われている昨今。企画職の将来性があるのか不安に思われる方もいらっしゃると思います。結論から言うと、企画職には将来性があると思います。なぜなら、企画職の仕事内容はまだまだAIが苦手な領域で、”人間だからこそできること”も多いからです。
単純作業や計算などはAIが得意な領域で、今後AIに置き換わっていくでしょう。一方で、企画職の場合は企画を考え、考え方企画を実現するために、周囲とコミュニケーションをとりながら進めていく必要があります。この考える業務や、周囲とコミュニケーションをとりながら進めていく業務は、現状は人間の方が優れていると考えられます。
ただし、今後の技術の発達で、企画を考えることなどもAIが得意になっていくこともあると思います。その際はAIを活用しながら、人間だからこそできる価値は何かを考えていく必要も出てくるでしょう。
企画職の魅力
次に企画職の魅力について紹介します。
企画が実現した時の達成感
企画に費やす時間は様々ですが数ヶ月のものもあれば、数十年単位で進行するものもあります。いずれにせよ、じっくり企画して、それが形となって行った時に大きな喜びややりがいを感じられるでしょう。これは、企画を練って進行していく企画職の特権であり、魅力とも言えます。
世の中に大きなインパクトを与えられる
営業の場合は顧客相手により良い成果やインパクトを与えられるように努めると思います。一方で、企画職の場合は、世の中全体に大きなインパクトを与えられることも少なくありません。
もちろん、ひとつひとつの顧客相手により良いインパクトを与えていくのも素晴らしいです。ただ、企画を通じて、世の中全体というスケールに対してインパクトを与えられるのはまた違った面白さがあるでしょう。
企画職に向いている人
次に企画職に向いている人の特徴を紹介します。
論理的に思考することが得意な人
企画職の仕事で大切になるのが論理的思考力です。
現状の事業部や商品・サービスの課題を論理的に分析をして、その課題を解決できるような企画を立案・実行することが必要になります。
質が良く、効果の高い企画を立てるためには、論理的に考えることが必要です。
また、企画を実行する上でも、論理的な思考力や表現力が必要になります。企画を実行したり、恩恵を受けるのは、営業など各事業部の社員のため、目的や背景などから論理的に説明を行う必要があるのです。
情報収集や分析が好きな人
企画職は、市場や競合などの俯瞰的な視点で分析をして、自社製品の成長に寄与する企画を立案することが必要になります。常に情報を収集して、自社製品に当てはめて考えるのが好きな人にはピッタリでしょう。
適切で配慮あるコミュニケーションができる人
企画職の場合、営業とは異なりコミュニケーション能力が秀でている必要はありません。
ただし、企画推進のためには、各部署や所属事業部社員との連携が必要になります。各部署や社員にスムーズに動いてもらうために、適切で配慮あるコミュニケーションが必要になります。
企画職の年収
企画職の年収は、400万円〜800万円程度の場合が多いです。
20代であれば400万〜600万程度で、年齢が上がるにつれて年収も上がる傾向になります。役職がつけば1,000万円超えることも少なく無いでしょう。
加えて、マネジメントなどにつけば800万円台後半以上になる場合もあります。
一点注意点として、企画職は営業職などとは異なり、インセンティブがつかないのが一般的です。営業職から移動した場合、基本給は上がったものの、インセンティブ込みの年収では下がる可能性もあるので気をつけましょう。
企画職につく方法
最後に、特に未経験から企画職につきたいと考えた場合、どのような方法・ステップがあるのか紹介します。
異動する
所属の会社で異動が可能な場合は、異動を検討するのが良いでしょう。
転職の場合、商品やサービスも異なり、また会社風土なども変わるため慣れるまで時間がかかる場合があります。一方で、移動の場合、特に営業職からの異動なら、商品や業界理解も既にあるため、企画もしやすいでしょう。
転職する
所属の会社で異動ができれば良いですが、難しい場合もあるでしょう。
その場合は転職を検討するのも手です。未経験からできる企画職の求人は限られていますが、最近は売り手市場なこともあり、探せばあるでしょう。
その際に、今の自分の仕事・職種で発揮した”企画能力”をアピールするのが良いでしょう。
たとえば、営業職で提案内容を作成する際に市場や競合分析の観点を取り入れた、フレームワークなどを用いて顧客の課題解決を論理的に行い提案したなどです。
まとめ
今回は企画職の仕事内容やメリット、リモートワークとの相性などを見てきました。
企画職は、企業や事業の根幹を担う頭脳のポジションです。責任やプレッシャーもありますが、その分、自分の企画で企業・事業を成長させていくのは、非常にやりがいがあります。
近年ではリモートワークでも働ける場合が多く、働き方面でも柔軟性があります。
興味のある方はぜひ調べてみてください。